「会社員、向いてないのかもしれない。」
仕事がしんどくなったとき、何度もそう思ったことがあります。
朝起きるのがつらい。
職場の人間関係に疲れる。
会社のルールややり方に違和感がある。
頑張っているのに、なぜかずっと息苦しい。
そんな日々が続くと、
「私は働くこと自体が向いていないのかな」
「会社員として生きていくのは無理なのかな」
と、だんだん「今の職場」の問題を「自分自身」の問題に置き換えてしまいます。
私自身、退職を決めたときに、まさにこのことを考えました。
「そもそも私は会社員が向いていないんじゃないか?」
でも、よく考えてみると、
「会社員が向いていない」ことと、「今いる会社が自分に合っていない」ことは、全く別の話です。
この記事では、「会社員向いてないかも」と感じたときに、一度立ち止まって考えてほしいことをまとめます。
「会社員が向いていない」は、少し大きすぎる結論かもしれない
仕事がつらいとき、人は物事を一気に大きく捉えてしまうことがあります。
たとえば、
「今の上司と合わない」
↓
「私は人間関係が苦手」
「今の会社のやり方に違和感がある」
↓
「組織で働くことが向いていない」
「今の仕事が楽しくない」
↓
「働くこと自体が向いていない」
というように。
でも、本当にそうでしょうか。
たった一つの職場でうまくいかなかったことを、
「会社員」という働き方全体にまで広げてしまっていないでしょうか。
これは、いわゆる過剰な一般化ともいえる考え方です。
もちろん、本当に会社員という働き方が合わない人もいると思います。
でも、そこにたどり着く前に、
「私は何がつらかったのか?」
を細かく分解してみることが大切です!
会社員で得られていたものを、もう一度見てみる
仕事が嫌になると、どうしてもデメリットばかりが目に入ります。
人間関係。
通勤。
残業。
責任。
会社のルール。
評価。
ストレス。
でも、会社員として働いていたことで得られていたものも、きっとあります。
たとえば、
- 毎月決まった収入がある
- 社会保険や福利厚生がある
- 有給休暇がある
- 会社が仕事を獲得してくれる
- 一人ではできない仕事に関われる
- 周囲から仕事を教えてもらえる
- 経験やスキルが積み上がっていく
- 仕事と生活の区切りをつけやすい
など。
私自身も、退職を考えたときには「会社員のデメリット」ばかりを見ていました。
でも、辞めることを現実的に考え始めると、
「毎月お給料が入るって、かなり大きな安心だったんだな」
と改めて感じるようになりました。
だからといって、「会社員を辞めるべきではない」という話ではありません。
大切なのは、
会社員にはメリットもデメリットもあった。そのうえで、自分は何を求めているのか?
を考えることです。
「会社員=悪」「会社員=最高」のように、一括りにしないこと。
それだけでも、働き方について少し冷静に考えられるようになります。
「会社員が向いていない」と思ったときの5つの問い
では、実際にどうやって「自分に合う働き方」を考えていけばいいのでしょうか。
ここからは、私自身も考えたいと思っている5つの問いを紹介します。
① その環境と、自分自身を切り分ける
まず考えてほしいのが、
「その環境が特殊だった可能性はないか?」
ということです。
たとえば、
- 上司との相性
- 会社独自のルール
- 教育体制
- 業務の進め方
- 人員配置
- 評価制度
- 組織の文化
- マネジメント方法
などです。
「仕事ができなかった」と思っていても、実は十分な教育がなかったのかもしれません。
「人間関係が苦手」と思っていても、特定の上司との関係がつらかっただけかもしれません。
「会社員に向いていない」と思っていても、
実際にはその会社の仕組みや文化が自分に合っていなかっただけかもしれません。
ここで大切なのは、
「自分の能力不足」と「環境との不適合」を分けて考えること。
全部を自分のせいにしなくて良いんです。
② 理不尽な環境の中でも、自分が守ったものを考える
次に考えてほしいのが、
「それでも自分が最後まで譲らなかったものは何だった?」
ということ。
仕事がつらかったとき、自分のことを「何もできなかった」と評価してしまうことがあります。
でも、よく考えてみてください。
つらい環境の中でも、
「これは雑にしたくない」
「ここはちゃんとやりたい」
「人に迷惑をかけないようにしたい」
「分からないことは調べて理解したい」
など、自分なりに守っていたものがあるのではないでしょうか。
それは、あなたの「強み」や「仕事に対する美学」かもしれません。
私は、仕事を辞めると決めたからといって、これまでの経験が全部失敗だったとは思いたくありません。
むしろ、
「私は仕事をするうえで、何を大切にしたい人間なんだろう?」
と考えるきっかけにしたいと思っています。
③ 自分が心地よく力を発揮できた瞬間を思い出す
「向いている仕事」を考えるとき、
「何ができないか」
ばかり考えていませんか?
それよりも、
「どんなときに、比較的楽に力を発揮できたか」
を探してみてください!
たとえば、
- 一人で集中できる環境
- 周囲に質問しやすい環境
- 明確なルールがある
- 裁量を持って進められる
- 数字や成果が明確
- 人と適度に関わる
- 評価基準が分かりやすい
- コツコツ積み上げる仕事
など。
「仕事ができる・できない」ではなく、
「どんな条件が揃うと、自分は力を発揮しやすいのか」
を考えるのです。
これが分かってくると、「向いていない仕事」を探すよりも、「自分に合う環境」を探せるようになります。
④ 大切な友人にも同じことを言うか考える
これは、少し違った視点の問いです。
もし、自分の大切な友人が、
「職場がつらい。自分は会社員に向いていないのかもしれない」
と相談してきたら、あなたは何と言いますか?
「あなたの能力が低いからだよ」
とは、きっと簡単には言わないですよね。
「その会社が合ってないんじゃない?」
「環境を変えてみてもいいんじゃない?」
「そこまで頑張らなくてもいいよ」
と思うのではないでしょうか。
なのに、自分に対してだけは、
「自分がもっと頑張らないと」
「自分が弱いから」
「こんなことで辞めるなんて甘え」
と厳しくしてしまう。
でも、自分自身も同じ人間です。
他人に向けることができる客観的な視点を、少しだけ自分にも向けてあげてください!
⑤ 「会社員」の何がつらかったのかを分解する
最後に、一番大切な問いです。
「会社員の何がつらかったの?」
「会社員が向いていない」という言葉では、まだ解像度が低すぎます。
たとえば、
「会社員が嫌」
ではなく、
「毎朝決まった時間に満員電車に乗るのが嫌」
「人間関係が近すぎる職場がしんどい」
「評価基準が曖昧なのが苦手」
「常に周囲の顔色をうかがう環境が疲れる」
「仕事の進め方に自由がないのが苦手」
「逆に、ルールがなさすぎる環境も不安」
というところまで細かくしてみる。
すると、
「会社員が向いていない」
と思っていたものが、
「私はこういう会社員生活が向いていなかった」
に変わるかもしれません。
そして、その違いが分かれば、次の会社を選ぶときの条件にもできます。
「向いていない」を、次の環境を選ぶための材料にする
仕事がうまくいかなかった経験は、できれば「失敗」で終わらせたくありません。
「あの会社が嫌だった」
だけで終わると、次の会社でも同じことが起きる可能性があります。
でも、
「私は何が苦手だったんだろう?」
「逆に、何なら心地よく働けた?」
「どんな環境なら力を発揮できる?」
まで考えられれば、その経験は次の選択に使えます。
私自身も、退職を決めてから、
「じゃあ次はどんな働き方ならいいんだろう」
と考えるようになりました。
フルリモートがいいのか。
人と適度に関われる環境がいいのか。
大きな組織のほうが安心できるのか。
ルールや制度が整った会社がいいのか。
これまで経験してきた仕事をもっと深めたいのか。
正直、まだ全部が明確に決まっているわけではありません。
でも、以前のように、
「私は会社員に向いていない」
とだけ考えるより、
「私はどんな環境なら、無理をしすぎずに働けるんだろう?」
と考えられるようになったことは、大きな変化でした。
「会社員に向いていない」のではなく、「合う場所をまだ知らない」だけかもしれない
その会社でつまずいたからといって、それが自分の人生全体の答えになるわけではありません。
その職場で合わなかったからといって、すべての会社が合わないとは限りません。
そして、一度退職したからといって、二度と会社員に戻れないわけでもありません。
働き方は、もっと細かく選んでいいものです。
会社の規模。
仕事内容。
人との距離感。
勤務時間。
働く場所。
評価制度。
会社の文化。
裁量の大きさ。
「会社員」という一言の中にも、たくさんの違いがあります。
だからもし今、
「私、会社員向いてないのかも」
と思っているなら、すぐに自分へ「向いていない」という判定を出さなくてもいいと思います。
まずは、
「私は何が合わなかったんだろう?」
と、ひとつずつ分解してみる。
そして、
「じゃあ、私はどんな環境なら心地よく働けるんだろう?」
を探していく。
それは、これまでの自分を責める作業ではなく、
これからの自分に合う環境を見つけるための作業です。
「会社員に向いていない」という大きすぎる結論を一度手放して、
自分に合う働き方の条件を、もう一度探してみませんか?
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